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計装アンプ

動作確認、オペアンプを取り替えて波形を観測します。

電源は9v CH2は入力波形、CH3のオペアンプはLM358、CH4はTL082

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CH2、CH3、CH4の3CHを重ねて表示しました。ぴったり重なります。

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周波数を4KHzにしましたがぴったり重なります。

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周波数を20KHzにするとCH3:LF358は大きく歪んで使い物になりません。6~7KHz辺りから乱れます。

CH4:TL082をCH2:入力信号に重ねました。僅かにずれますが今回の用途から実用上ほぼ同一とみなして良いと思います。

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周波数25KHz方形波 CH2とCH4重ねて有ります。

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以上の結果から20KHzまではTL082で使えそうです。反対にLF358は使えません。 今度はLM358からNJM4558に代えて試してみます。

38KHzでもOKのようですが・・・。方形波では?

注:表示された波形の線が少し太くなったのはオシロの表示モードを変更したためです。

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方形波に変更しました。(CH2:入力波形自体が鈍っています。)

CH4のTL082ではまだキレイですがCH3:NJM4558では台形になっています。波高値はOKですのでスルーレートの問題のようです。

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NJM4558からLF412に代えて試してみます。CH3:LF412、CH4:TL082です。

上図立ち下がり部でTL082はわずかに乱れています。LF412のほうが良さそうです。

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入力波形をオシロスコープの補正信号にした試験

入力波形の立ち上がり立ち下がりが急峻になったことによりリンギングが観測できますが、ここまでの試験結果と合わせ「まあいいか」と結論付けました。

項目7までの試験に使用した入力方形波は立ち上がりが鈍っていましたので気が付きませんでした。 この度急峻な波形を入れることでリンギングが生じましたがプローブからオシロスコープに接続する ケーブルの問題のようです。反射も共振も考慮してありませんので当たり前のことだと思います。オペアンプから RCA端子間に直列に挿入された47Ωを470Ω~1kΩに変えれば改善傾向にあることは確認してありますが その場合の広域(と言っても可聴帯の倍:50kHz程度)特性については測定してありません。

以上の試験では9V電源アダプターを使用しました。 結果としてLF412を使用することにします。

手元にあるpin配置に互換性のあるオペアンプだけで試してみました。流石に低電力低電圧のLM358は全く使えません。電池仕様の用途にぴったりですが残念です。数十ミリボルト以上のオーディオ帯域であれば汎用のオペアンプで 十分使えそうです。オーディオだけに特化すると、電子音源以外には方形波のような立ち上がりが鋭い波形はありません。NJM4558の改良版NJM4580当たりで十分だろうと思います。4580あたりになるとスルーレートが5V/uS、GB積が15MHzとなり、4558の1V/uS 3MHzと比べて大きくなっています。

NJM4558はデータ-シートによると動作電圧は+-4V~+-18Vですが「最大出力電圧対電源電圧特性例」に+-6v(12V電源)からしかグラフがありません。(LF412は+-5Vからと似たようなものですが)多分9V(+-4.5v)では使用出来ないわけではないが推奨されていないのでしょう。その点 4580は 「低電圧単電源方式による携帯用セット用」で+-2Vからと明記されています。(そうは言ってもグラフでは+側はVcc-1V位、-側はVss-1.5V程度のようですので有効出力範囲は小さいですが。)

制作した差動プローブとオシロスコープの接続線は普通のシールド線を使います。

オシロスコープでは性能特性を最大限引き出すために専用のプローブを使います。別品番のプローブですと同一メーカー同一帯域であっても本来の性能は発揮できないようです。ただし「本来の性能は発揮できないまでも低速信号(10MHz位までか?)であれば、補正用信号で補正できれば、使えないことはない」ようです。(横河電機さんのサイトに説明があります)

この度制作したものは補正機能はありません(当初から補正は考慮してありません)ので目安程度(しかし自分の目標に対して十分な)の観測性能です。