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プリント基板作製

中華製の安価に手に入るCNCフライスでプリント基板を作成します。

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使用するCNC

動作環境

動作環境はwindows11(win10でもOKでした。多分win7あたりからなら動くでしょう。)

KiCAD 7

FlatCAM8.994(2023/11時点で最新版)

Grbl0.9j(購入したCNC付属基板のバージョンです。(amazonで購入できる安価なものは殆どこのバージョンのようです。)

Candle 1.0.11

 注:Grblのバージョン0.9以前と1.1以降では制御基板の回路が一部変更されています。ファームウェアを入れ替えるには配線を入れ替える必要があります。Candleの最新版は1.2のようですがGrblのバージョンに合わせる必要がありますので、Grblが0.9以下の場合はCandle 1.0、Grbl 1.1ではCandle 1.1を使います。

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PCBガーバーデータ作製:KiCAD

KiCADのガーバーデータの出力は解りやすく解説しているサイトが沢山ありますので省略させていただきます。注意点としてCNCで切削加工して基板作成するには基板屋さんに発注するデーターは異なると考えたほうが良いと思います。基板屋さんのように「標準線幅0.25mm~0.3mm」等という細い配線は避け、できる限り太く、ランド径も大きくする。ランド径を大きくし尚且つ配線幅も広いのでDIPパッケージのピンピッチ100mil間に2本通すなどというような無理なことは考えないことです。ランド径2.0mmで線幅0.5mmにするとようやく1本通せますがこれが私の環境での限界でした。

出来上がりパターン

これは上手くできた例ですがそれでもランド、パターンとも削られ過ぎて小さくなっています。先端0.1mm、15°Vカットで深さ0.1mmの溝を切っていますが溝幅は0.3mm以上になり、それに伴い線幅は0.5mm設定のものが0.3程度になっていますがこれでも出来の良い部類です。FlatCAMでのtool設定では径0.2mmにしています。(後述)

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FlatCAMについて

KiCADから出力されたガーバーデーターは配線パターンを表しております。CNCで切削加工するには配線パターンの淵に沿って溝を掘り出しますので溝を切るためのデーターを作製するソフトです。

これから出力されるデーターはGコードと言います。Gコード自体はテキスト文で記述する単純なものですので直線で四角を描く程度ならテキストエディターで作成できますが配線パターンを描くのはこのようなソフトに頼る以外にありません。

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Candleについて

FlatCAMから出力されたGコードを受けとりCNCの制御基板Grblに送信する役目をします。

また単発の制御コード、例えばリセットやGrblの設定コマンド、や単純なGコードを送信できます。

昨年購入して以来1年経過しました。動作試験して結果が期待したほどでなくお蔵入りしていましたが、同時期に購入した基板切断用の丸のこと合わせ、使わず放置するのは実にもったいないので何とか使用出来るようにしました。まだ満足出来るきれいな仕上がりとは言えませんが何とか使えるようになりましたので気づいた点をご紹介させていただきます。

思ったように切削できない理由はエンドミル(Vカッター)の芯ブレによるものが多そうです。私の購入したものは切削モーターの芯ブレはありませんでしたが、コレットホルダーのモーターへ取付穴が大きくスカスカでした。手に伝わる感覚でもわかる程度であり多分0.1~0.2mm程度は隙間が出来ていたと思います。この状態で0.1-15度のVカッターで切削すると(深さによりますが)0.4mm程度の切削幅でした。再購入したコレットホルダーは逆に穴が小さすぎてモーターに入らず加工が必要でした。モーター軸寸法は正確でした。これ以外にもコレットやVカッターの精度が加わります。また芯ブレの問題以外にVカッターの切れ味の問題があり、切れないものだと切削溝の仕上がりが悪くバリが出ます。

Cadで作成したガーバーデータを取り込んで云々・・というところはいろいろなサイトで解説されていますので軽く触れる程度にします。

PCB CadはKiCADを使用します。Protel98で作成した古いデーターやこれまで使用していたDesignSparkPCBで作成したデーターは読み込むことができませんでした。